アロニア ド タカザワ
2012年4月22日をもって、アロニア ド タカザワ が一旦幕を閉じました。
7年間はあっという間に過ぎ、その間というのは、今までの人生で一番充実した日々を経験することができてきたと思っています。
何故『アロニア』という名前にしたのか。
一番お客様から多く聞かれる質問です。
『アロニア』とは北米が原産の、1センチほどの丸い果実です。味は、そのまま食べるには渋くて苦く、
更にはジャムやゼリーにするには固まりづらい、なかなか一筋縄ではいかない果実です。
姿かたちはブルーベリーに似ているのに、ほとんど日本では知られていません。
でも、実は栄養価が非常に高いことから、究極の健康果樹と呼ばれているのです!
【有名ではないけれど、内に秘めた大きな力】そんな果実に、自分を重ね合わせて『アロニア』と名づけたのです。
無名のまま、メディアにあまり取り上げられることもないまま、ゆっくり切ったスタートが
お陰様で、たくさんの国内・海外からのお客様に支えらる今につながっていきました。
『アロニア』の由来を話すと‘君はもうアロニアじゃないよ!ブルーベリーだよ!(笑)’という多くの声をいただくようになりました。
そこで、自分のスタイル、これから進むべき方向性が自分の料理の中にも見えてきて
これがTAKAZAWAだ!
というものを、これからしっかりと表現していきたいという想いで、店名を変更し、リニューアルすることにしました。
このプロジェクトは、実は1年ほどかけてあたためて、じっくり考えてきたものです。
基本的には大きくガラリと変わるわけではありませんが
今いる、自分たちが立つ【日本】に、よりフォーカスし、愛を注ぐ。
‘これは、日本人シェフのTAKAZAWAにしかない世界感だね’と、
多くのお客様に感じてもらえるようになりたいと思っています。
そして、アロニア ド タカザワの最後のゲストは。
シカゴ、ALINEAのグラン・アケッツ。メキシコ、SUD777のエドガー・ヌネツ。
この二人は、学会に参加するチャンスにも恵まれた僕が、最高の交友関係を築くことができた大事なシェフ友達です。
アロニアのラストサービス、二人を招待できた4月21日のディナーは、正しく思い出深いディナーになりました。
本当は、僕を料理学会という、素晴らしい世界の舞台への道を開いてくれたスペインの大親友、
イニャキ・ロダバージョも招待したかったのですが、フライトの時間がどうしても合わず、翌朝の改装工事現場へと招きました(笑)。
そして、4月23日からの函館・世界料理学会に彼らを案内するのが、
リニューアル工事期間中の僕の大切な仕事でした!
その様子は次回のコラムで!!