W 誠
W 誠
今回のコラムは、尊敬する二人の友人を紹介したいと思います。
たまたま二人とも【誠】という同じ名前で、
二人とも北海道にいるオーナーシェフです。
今年の夏にも、農家さんをまわりながら、
短いですが、その二人と楽しい時間を過ごしてきました。
まず一人目の誠さんは、札幌でル・ミュゼというレストランをアロニアと同じ2005年にオープンし、今年、よりさらに規模を拡大し、ウエディング対応のスペースとシェフズテーブルの別室のレストランをつくり、
料理の腕だけでなく、事業者としての腕も振るっている石井誠シェフです。
石井シェフの料理は、非常に上質でコンセプチュアル。
『自分と北海道』と言うものをお皿の上でキチンと表現していて、
おいしく、個性が輝いています。
世界の舞台にたっても、間違いなく勝負ができる。
現在のガストロノミーの最前線にいるのではないでしょうか?
今もしそれが評価されていないとするなら、世界七不思議にいれてもいいくらいです(笑)。
遅かれ早かれ、皆の注目の的になる料理人の一人です。
わざわざ行く価値のあるレストランとはこの事だときっと感じると思います。
石井シェフとはお互いに相手のメニューの話などした事はないのに、
料理は偶然にも似た所がいくつもあります。
後日ホームページを見たりすると同じメニューの名前だったり、
コンセプトだったり。。。
悔しい事にそれを石井シェフの方が少し早くやっていたり。。。
普段は、無口で人見知りの激しい石井シェフ(そこも似ているかも?)ですが、
筆まめ(メーラー)なので、カメラやパソコンに向かうとその頭脳を垣間見ることが出来ます。
料理の写真も自分で撮影し、そのコンセプトやストーリーを伝えているホームページは必見です!
僕もそれを見る時は、何度も何度もうなずき、『これが言いたいんだよなー』と『よくぞ‘言葉’にしてくれた』と感謝しています。
アロニアの事もブログで書いてくれていて、ユーモアあふれる文面から
石井シェフの別の一面を楽しめると思います。
その石井シェフに紹介してもらったのがきっかけで知り合ったのが、もう一人の誠さん。美瑛にあるイタリアン、オステリアバローレの才田誠シェフです。
才田シェフのお店は、雑誌等で美瑛、富良野特集があれば必ずと言っていいほど誌面を飾るお店で、地元の素材をふんだんに使った料理とアットホームな雰囲気で、ミュゼとは対照的な感じです。一人で厨房を取り仕切り、以前の僕と同じ環境で朝から晩まで寝る間もなく、畑の収穫から料理の仕込み、さらには、車でせっせとゴミ捨てまで、全てをこなす努力家です。
ひとつ欠点があるとすれば、方向音痴であがり症なところでしょうか?(笑)仕事熱心で優しい人柄に周囲の農家さんも協力的です。
才田シェフの選ぶ、農家さんの愛情こもった素材ひとつひとつが、素晴らしい。そして、才田シェフ情熱をのせた料理が、素材とともに
土地のエネルギーを伝えてくれているのを感じます。
アロニアの食材も才田シェフのお陰で多くのものが北海道からやってきます。
(お陰で北海道出身か、とお客様からよく聞かれるほどです(笑))
無農薬の珍しい野菜達は、百姓やの青木氏から、
雄大な環境で酪農(カリフリ農場)も営んでいる江頭氏からは、
仔山羊がいまお皿の上を飾っています。
東京と北海道という距離を超えて、
僕にとって、またアロニアドタカザワにとって、
二人の誠シェフは大きな存在です。
願うなら一生、料理人として、刺激し合っていきたいと思っています。
お時間があればぜひ、二人のレストランにも足を運んでみてください。