トテル見学
トテル見学
アリカンテ近郊で最も知名度の高いレストランは、キケ・ダコスタ氏のお店、【キケダコスタ】。
そして、お菓子界では、パコ・トレブランカ氏の 【トテル】 でしょう。
キケ氏のお店はこの11月から4カ月クローズに入っているので、残念ながら今回はお邪魔することができませんでした。
学会会場内にいると、まわりはサインを求める若い料理人たちに囲まれているパコ氏。
そのパコ氏と直々にアポイントが取れたのは恐らく僕たちだけ?
なんと、工場見学に行かせてもらえることになりました!
しかも、『朝食を食べてこないように!うちで用意するから』と。(喜)
宿泊しているアリカンテ中心部から車を飛ばすこと30分ほど。乾いた岩山・荒野の小さな村に
ファブリカ(工場)はありました。
まず驚いたのは、その工場=施設のクリーンさと広さです。
徹底的に衛生面を管理していて、僕たちも入口の前で、
≪カッパ・帽子・靴にはビニール≫の3点セットを装着します。
工場内は朝の9:30でも、みんなキビキビと、冷蔵庫のように冷えた工場内で動き回っています。
なんでも、こんなに大きな工場にも関わらず清掃会社はいれておらず、スタッフ自らが掃除するのだそうです。
その理由は、汚すと自分たちで掃除をするから、よりキレイに使うように気をつけるのであまり汚さなくなる。。。のだそうです。
とてもいいスタイルですよね。
掃除もさることながら、工具も機械の点検・修理も全て自分のところのメカニックが修理します。
なるほど、な工場内でのルールを色々説明してもらいながらの見学はとても勉強になりました。
パコ氏のデザートは、世界中のレストランやケータリング会社からオファーを受けています。
フランスの超有名シェフのケータリングにも、パコ氏のものがスペインから送られている!そうです。
また、最近は中東からのオファーも多いそうです。
そういった国では宗教上動物性ゼラチンなどは使えないので、その国に合わせたレシピを様々用意しているそうです。
冷蔵庫はとにかく【巨大】で、うちのお店とほぼ変わらない大きさの冷蔵庫がいくつもありました(笑)。
パコ氏について補足ですが、現在は息子さんのJacob氏が実務を主にキリモリしているのですが
フェラン氏をはじめとするモラキュラーなデザートテクニックの多くは
パコ氏が今までに研究してきた技術です。
こんな乾いた荒野に、世界の最先端があるだなんて思ってもいませんでした。
そして、見学後の‘朝ごはん’。
たべきれそうにもないほどのスイーツが!!!
パネトーネとクロワッサンは、今まで一番美味しい!と思いました。
パネトーネ。しっとりしているのに軽さを感じるバランスには驚きました。
クロワッサンは、噛んだ瞬間、パラパラとほとんど砕けてテーブルに落ちてしまうのです!
デーブルがすごいことになりましたが(苦笑)、それだけ、薄くて軽いたくさんの層、、、ということです。
ケーキも、スペインでの従来のものとは一線を画していました。
甘さが、ひつこく残らない絶妙なフレーバーで、いつく食べても食べ疲れをしない最高レベルの味でした。
遠くない将来、パコ氏も日本での出店を計画しているようなので?楽しみです!