ARONIA DE TAKAZAWA の料理に新しい風を求めて、6月28日から7月10日まで‘‘スペイン食べ歩き研修’’に行ってきました。 ホームページには全2回に渡って、シェフの熱き想いを掲載していきます
2006.08.29
現地で見て学び、食べて学びをひたすら続け、頭いっぱいにして帰国してから
はや一ヶ月。それはもう、色々なアイディアが次から次へと浮かび、
料理が創り上げられる自分になっているだろうと思っていましたが、
実は、今回はそうはいかなくなっている自分がいました。
スランプ?
現地では三ツ星、二ツ星の高水準なレストランばかり行ったためか、
気付けば、その完成度の高い料理ばかりが頭に浮かんでいました。
頭の中身ばかりレベルアップしていて、実際にはそれを作れない現実。
自分の料理がスペインのそれ以上でないと満足できないというか。。。
現スペインでの斬新な料理は、
熟考され、研究され生みだされた作品な事に気付いた瞬間でした。
真似は出来ない。
そして、日々予約が入り、お客様がいらっしゃる日々。
間もなくある日、こんな風におっしゃるお客様がいらっしゃいました。
「高澤さんの料理は‘ざんしん’だねぇ。」
「そうですか、ありがとうございます!」
私は答えました。
その時は、テクニックや盛り付けがモダンという意味の斬新だと解釈していました。
お客様は続けました。
「懐石の世界で、最もいい褒め言葉に使うんですよ、‘ざんしん’は。
それは、【心に残る】と書くんです。」
それは心に深く入り込んできた言葉でした。
そうだ、お客様のこころに残る料理、料理にシェフの思いが残る料理、
それが【ざんしん−残心−な料理】なんだ!
私が求めている斬新は、残心な料理のほんの一部に過ぎない、もっと大切な事がある。
前コラムにも書いたように、スベロアの料理と同じ事だったのです。
いつも私はお客様に育てられ成長していきます。
なかなか脱皮出来ずに悩んでいる時もあり、我ながら満足いく作品が創れる時もあり。
今後も皆々様に心から感謝の気持ちを込めて料理に精進したいと思っておりますので、
そんなアロニアドタカザワをこれからも宜しくお願いいたします。
今回勉強させていただいたレストランリスト (お気に入り順)
- ZUBEROA スベロア
- AKELARRE アケラーレ
- ARZAK アルサック
- CAN FABES カンファベス
- L’Esguard レスグアルド
- FAGOLLAGA ファゴジャーガ
- COMERC 24 コルメス24
- EL CELLER CAN ROCA エル・セジェール・カン・ロカ
- MUGARITZ ムガリッツ
- MOO ムー
番外編(Paris)
- Le Meurice
- Le Comptoir du Relais Saint-Germain